この言い回しは明治時代に、西洋の衣服つまり「洋服」に反対に「従来の日本の衣服」を表す語として生まれたレトロニムである。
近年では日本における民族服ともされる。
服飾史学者の小池三枝によれば、「着物」は元来「着る物」という解釈であり、単に「衣服」を解釈する語であった。
和服(わふく)とは、日本在来の衣服のこと。
しかし幕末に洋服が移入して以降、「西洋服」・「洋服」と区別して、「従来の日本の衣服」を(レトロニムで)「日本服」・「和服」と呼ぶようになり、加えて「着物」の語にも置き換えられるようになった。
和服は、文字通り「和」の「服」、つまり日本の衣服というニュアンスである。
現代での「着物」という語は専ら「和服」を意味し、狭義には一定の形式の和服(着物と羽織というケースの着物、つまり長着)を指す会話に移りつつある。
時代が進み、日常暮らしで頻繁に洋服が用いられるようになると、「着物」から「着る物」という通常の意味合いは薄れていき、「和服」の意味が濃くなっていった。
着物(きもの)ともいう。